4.19.2025

Domino Bones

切ない楽曲は沢山書いてきた。
どれくらいかな?と考えても意味はなく、
全てロックとポップスに落とし込んできたから、
作曲をする上で必須になっていた。
異なった印象で着地した楽曲は、言葉の所為。

今でも聴けば全ての感覚を奪われて、
最も切ないと謂うか、不安と緊張を生んで、
物語を身体で感じられる楽曲は、変わらない1曲。

その楽曲を書いている時に、
僕はメロディではなくてコードを紡ぐ事が好きだと気づいた。
切なさや悲しさも絶望も、何故か驚く程描けた。
自分でも怖くなってきた。でも、此れでは発注に合わない。
表層だけトレースした他の楽曲を書いた。

幾ら楽しくても仕事にならない楽曲は眠らせる。
眠らせて忘れた頃に、
もしかしたら此の楽曲に合う物語を書いてくれそうな作詞家と出会った。
仕事に落とし込む作業を改めて施した。

僕のアレンジはブーストしか考えていない。
白黒の原稿に色を添えて、作家と歌い手やプレイヤの融合をして、
更に昇華させる事は、やはりブーストでしかない。
でも、此の楽曲に関しては、
不安や緊張を表現した音を隠して、切なさだけを残す作業。
上手に出来た。

その作詞家は少し気づいていたのかも知れない。
物語も言葉も、しっかり色付けして聴こえない筈の音に合う。
僕にしか聴こえていない筈なのに。
今でも自分の中で最高に切ない楽曲は此の楽曲。

時を経て最初のイメージ通りに音作りをした。
やはり短時間で仕上がった。
歌のない作品だけれど、僕の中では歌詞を聴こえてくる。
時系列では逆なのに、物語に合わせた様なアレンジと謂える。
それで良いと思う。とても面白い。


悲しいとか楽しいは違和感で、
切ないとか熱い事がテーマと謂うか、
僕が選んできた表現で、細分化は可能だと思うけれど、
その2つで充分。2つの成分で僕の音楽は出来ている。


隠す為に塗り重ねた色を削ぎ落として、
BPMと拍調整をして、
必要なパートだけで編成。
歌ではコーラスパートだったメロディを、
此の楽器に差換えると驚く効果になる。
複雑な感情を体感させる音楽は、やはり怖い。

完成させるけれど、誰かに聴かせる事はしない。
必要な音圧はアレンジで楽器が獲得しているから、
ダイナミクスが活きればマスタリングは不要。



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